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ショートストーリー1(ルナ・銀河・夜明) 4ページ目

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 クリスマスパーティとは言っても、食べ物が豪華になっただけの、普段の2研の活動と大差なかったと言ってもよかった。
 漫画の話をして、
 アニメの話をして、
 ライトノベルの話をして。
 食べ物があらかた無くなって、テーブルの上を一度片付けてから、プレゼント交換をすることになった。
 ――のだが。
「いや、まあ、こういう展開も予想はしていた」
 三人の囲むテーブルの上には、三つの開かれた紙包みが置かれている。
 それぞれの中身は、ゲームの箱、数冊の漫画本、CD。
 いずれもなんというか、こう、ホモホモしい感じが漂うパッケージである。一応念のため、三人とも18歳未満なのでR-18なブツは混じっていないのだが。
「確認しよう。ルールとしてはプレゼントのランダム交換であったが――」
 銀河はルナの前に置かれたCDを手にとって、
「このドラマCDは俺が買ってきたものだ。基本的にはルナくん向けだったのだが、夜明先輩のところに行ってもまあいいのではないかと思ってな」
 夜明は銀河の前のゲームソフトをちらりと見やって、
「ル、ルナに行ったらいいかなって……ご、ごめんなさい」
 ルナは夜明の前に置かれていた漫画本を手にして微笑み、
「布教用です♪」
「……」
「……」
 こほん、と銀河は咳をして、ゲームソフトを手に取る。
「まあ、俺は雑食だからな。自分の知らないジャンルは勉強にもなることだし、遊ばせてもらおう。ありがとうございます、夜明先輩」
「い、いいえ。わ、私も、漫画なら気軽に読めるし。あ、ありがとう、ルナ」
「いえ、なんだかすみません……完全に私得ですよね。ありがとうございます、銀河さん」
「……」
「……」
「さて」
 銀河はおもむろに立ち上がる。
「では、そろそろケーキを出そうか」
「そうですね」
 ルナは何気なく銀河の横に立つ。
 銀河が冷蔵庫からケーキ箱を取り出して、テーブルの上に置いた。
 そして、
「開けてください、夜明先輩」
「?」
 改まって言った銀河に、わずかな疑問の視線を投げてから――
 夜明は箱を開ける。

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