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ショートストーリー5(夜明・銀河) 4ページ目

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 そして、年が明けた。
 銀河はそれ以降、それについては一言も触れなかった。
 夜明は、今になってその言葉を思い返し――
 そのめちゃくちゃな言い分が、少しだけ、理解できた気がした。
 スマートフォンを机に戻す。
 今すぐに変わることは、それでも、できない。
 多分それは、夜明がコミュニケーションによって傷つくことを恐れているから、なのだろう。
 だけれども――
「そのとき」がきたら。
 たとえ傷つくリスクを犯しても、一緒にゲームをしたいような相手が現れたら。
 たとえば一年生が入部してきて。
 その一年生が、素敵な子だったりしたら――
 そのときこそ、夜明は少しだけ変わろう、と思う。

 赤井夕陽が2研に入部してくるのは、もう少しだけ先の話である。

ss-5


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